statement

高速道路の脇に,透明防音壁が設置されている箇所があります.夜間走行中,たわんでしまっている透明防音壁に車のヘッドライトの光源が反射すると,その光点が高速で円を描いているように見えることがあります.日中の太陽光による反射像は,映り込むものが多すぎるために無自覚に群として捉えられてしまいがちですが,夜間の場合は,反射された光源による像が個の動きを強調し意識させます.そうして個として切り取られた動きのある映像は,普段目にしている像とは違った観え方になります.また,私たちは視野内にある物体そのものにはある程度意識的ですが,反射を介した物体の像に対しては無意識なことが多くあります.

本作品ではそのような「視野の中にある潜在的な映像」をあぶり出すことに焦点を当て,日用品をそのための投影装置として捉えます.空間に点々と配置された様々な日用品は,天井に設置された横方向・奥行き方向に移動するレーザー光源に照らされることで,それぞれが持つ造形によって反射された光の像となり,壁面のあちらこちらに投影されていきます.造形が作り出す像を観ることで,鑑賞者は造形と像の関係,そして造形の先に潜む像の無数のけはいを探っていきます.

movie

exhibition